「コワすぎ!」シリーズを見た
「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズが現在Prime Videoで視聴可能になっている。
かねてより「五芒星の中心に立った工藤が河童を迎え撃つ」ことだけ画像とともに知っていたが、ついに視聴の機会を得たので一気に見てみた。
以下は各話の駆け足な感想となる。核心部については極力触れていないがネタバレには違いないので、ご注意くださいまし!
- FILE01 口裂け女捕獲作戦
- FILE02 震える幽霊
- FILE03 人喰い河童伝説
- FILE04 真相!トイレの花子さん
- 劇場版・序章 真説・四谷怪談 お岩の呪い
- 史上最恐の劇場版
- コワすぎ!最終章
- 総括
FILE01 口裂け女捕獲作戦
口裂け女の目撃証言および証拠映像を得たクルーが(ていうか工藤が)口裂け女の捕獲を試みる(なんで?)
- 暴力
- 何が工藤をそこまでさせる?
- 市川ちゃん早くこの仕事やめな
- あとになって振り返ると、謎の女が口裂け女である必要性ってぜんぜんないのだが、でも裂けてた
早くもこの作品の異質さに気づく。「コワすぎ!」ってもしかして、”ヤバい”のか…?!
FILE02 震える幽霊
アベック2組が肝試し中に幽霊を撮影してしまう。のちの展開につながる重要な要素が多い
- もちろん暴力
- 「工藤の処置により投稿者たちは正気を取り戻した」じゃないんだよ
- 幽霊より謎めいている夕子
- 急にえっちなので気を付けましょう
このへんから視聴者投稿映像の尺が長くなってきてふつうにちょっと怖い。長ければ長いほど「いつ出るんだ…」という不安にかられてしまう
「肝試しに居合わせた女の子が実は超重要人物」っていう思わぬ角度からくるのが面白かった。誘ったのが夕子だったっけ?
FILE03 人喰い河童伝説
またアベックが河童を撮影し、なんやかんやで工藤が五芒星の中心に立つ
- アベックの彼女がかわいい
- 「無惨な動物たちの死骸と砕かれた大量のキュウリ」おあつらえ向きのキュウリ笑ってしまった
- 河童を捕まえるには命懸けの人間が2人必要?!そう都合よくおらんよな〜…
五芒星の中心に立って河童を迎え撃つってどういう状況だよ、と思うけど、頭からちゃんと見ると確かにこれができるのは工藤しかおらん…となる(?)
— 小林⚾️🌠 (@xxxterminal) 2023年8月22日
個人的には、あの画像を知っていたこともあり事前にイメージしていた「コワすぎ!」そのものという感じ。ハチャメチャな現象にハチャメチャな人間が立ち向かう、B級ホラーを楽しめる回
FILE04 真相!トイレの花子さん
深夜の学校で肝試しをしたJK2人のうち1人が呪われてしまう。まさかの展開で息がつけない
- 視聴者投稿の映像が長くてけっこう怖い
- 「カメラを振り向けたらなぜか違う部屋が映っている」演出も怖い
- 霊能者の先生を迎えてから怒涛の展開。衝撃のラスト。「コワすぎ!」こんなこともできんのかよ!(興奮)
コワすぎ4話、カメ止めみたいなワクワク感あったな 低予算・少キャストで画面はチープだけどいかにスケール感あることをやるか?という熱量があるというか
— 小林⚾️🌠 (@xxxterminal) 2023年8月23日
ずっと走っていて大変そう(小並)
エックスにも書いたが「走っている人物を背後からワンカットで追いかける」映像がカメ止めっぽくて楽しかった。カメ止めのほうが後だけど
劇場版・序章 真説・四谷怪談 お岩の呪い
位置づけとしてはこのあとに来る劇場版の前フリなのだがだいぶカロリーが高い
ここからは張り巡らしてきた伏線に乗っかって進んでいくので、シリーズのテイストが変わった気がしないでもない(やってることは相変わらず暴力だが…)
いやガングロ!!!!(お岩さん回)
— 小林⚾️🌠 (@xxxterminal) 2023年8月23日
↑渾身のツッコミ
史上最恐の劇場版
またまたアベックが投稿。タタリ村に潜入してえらいことになる。やめなさいって。当然工藤たちクルー(しかも今回は劇場版なのでゲストがいる)もえらいことになる
- すさまじい暴力
- 呪いによって小明さんの顔がだんだん歪んでいくのが絶妙に怖い
- 「映ってる人がとんでもないことしてるけど今行方不明だからリリースしてええやろ」の精神
- 口裂け女を追いかけていた頃が懐かしいくらい、話のスケールがでかい
本来ここで別作品である「オカルト」を見るといいらしいが、Prime Videoの見放題になかったので残念ながら端折りました
コワすぎ!最終章
田代くんの頑張りが涙ぐましい。おじさんが痛めつけられる様子を思うさま見られる作品
- これが汚いまどマギか~
- 田代くんに課せられるミッションがいちいちひどすぎる(過酷・最悪)
- 私たち…入れ替わってる~?!?!
- 最後ちょっとエモい
途中で「私何を見てるんだっけ?」と我に帰ることが何度かあったが、ともかくシリーズを最後まで見届けられてよかったです。ちゃんと完結したなあ…
総括
先述の通り、事前に抱いていた「コワすぎ!」のイメージが河童回だった(というかその知識しかなかった)のもあってか、個人的なおもしろさのピークはそのあたりだった。
イメージ先行で申し訳ないが、求めていたのは口裂け女や河童でワチャワチャするドタバタ感だったのかもしれない。
FILE02、04、そして四谷怪談以降の作品は、「コワすぎ!」シリーズに通底する「真実」に沿って展開していくので、伏線薄めの01(口裂け女)や03(河童)がちょっと浮いている感はある。ただ、その「真実」を追求するにつれそれありきになってしまい、ふと01のことを思い返してみるとずいぶん遠くに来たな…という気分になる。
なんというか、01~04まではその場その場で好きに製作した作品のように見えるのだが、四谷怪談あたりから急に道筋が一本に整うので、ついていくのにちょっと戸惑った。
ただ、白石監督のインタビューを見るに、それは狙い通りだったらしい。
―― 「コワすぎ!」は口裂け女という身近な都市伝説からはじまって、最終的にものすごいエンディングに着地しましたが、あのラストは最初から考えていたんですか?
白石監督 いや、特にああいう着地にしようと決めていたわけではなかったです。ただ、最初は心霊ドキュメンタリーとして始めて、そこからどんどんズラしていくというのはやりたかった。よくある心霊ドキュメンタリーでは絶対にやれない、フィクションならではの内容というか。
―― 最初に「ファイル1」と「ファイル2」をリリースした時点で、続けられるかどうかはまだ決まっていなかったんですよね。
白石監督 そうですね、なのでとりあえずタネは仕込んでおいて、チャンスがあったらやってやろうという感じでした。特にファイル2には今後やりたいことをいろいろ仕込んであって、結果的に、シリーズ中でもっとも多くの謎が残るような話になっています。
―― 1作ごとにすごい勢いで風呂敷が広がっていってましたけど、自分で広げた風呂敷に首を絞められたりはしなかったですか。
白石監督 そこは自分で壁を作って乗り越えて……を繰り返してる感じですね。最初からゴールを決めて作るやり方もあるけど、最初から考えつくゴールなんて、たぶん他の人でも思い付くんですよ。自分でも「そうくるか!」ってビックリするようなものを作るためには、自分で「おいどうするんだよこれ」って困るようなフリを入れていくしかない。
最初から決まったゴールがあったわけではなく、試行錯誤のストーリー作りだったそうで、「急に整った」感もそのせいかもしれない。
そう考えるとちゃんと完結までシリーズが続いてよかったし、作り手の執念のようなものも感じる。
個人的には01や03のシンプルさが面白かった。これは個人の好みの問題。
ただ、監督の言うように「心霊ドキュメンタリーとして始めて、そこからどんどんズラしていく」試みは興味深く、実際に「これってただのホラードキュメンタリーではない…?」という気づきは私の中にもあった。シリーズものだからこその面白みだと思う。
「コワすぎ!」シリーズは最終章でいったん終わっているが、「超コワすぎ!」として続編が2本製作されている。
「前シリーズの出来事が"なくなっている"」世界とのことだが、それなら戻ってくるか?!あのシンプルなメチャクチャさ…!
「超」も見ようと思っているし、もしかしたらまた感想を書くかもしれない。
最近公開された劇場版作品がなんと最終作らしい。予告映像を見るとなぜか既視感がビンビンだがこれも機会があれば見届けたい。
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